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posted by: - | 2009.08.06 Thursday | |
3.グループ経営の変化
経営戦略でいまもっとも大きな課題はグループ経営である。グループ経営とは,基本的には事業ドメインを再編成して,カンパニー化したり分社化したりするということである。たとえば,三菱電機はDRAM事業をまるごと日立・NEC連合に委譲した。また,松下電器はドメインを14個に再編して,ドメインに応じて事業部や子会社を再編するということを行っている。

分社化を伴うグループ経営改革の目的は,以下の4つである。
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競争力のあるコスト構造に転換する。
A反コ萠呂魄飮する最適規模を実現する。
せ業ポートフォリオに応じた傘下事業会社のジョイントやエキジットの自由度を高める。

グループ経営に影響を与えた法制面の変化は次の3点である。
_饉卻割法
事業部をスピンアウトして一つの会社に分社することが,税制面でやりやすくなった。
∀結納税制
赤字子会社も黒字子会社もグループ全体で合算して税金を納めることができるようになった。
商法改正
委員会等設置会社,社外取締役の配置,執行役員制が選択できるようになった。

変わるグループ内会社関係

これまではグループ内の会社は親会社と子会社という表現からも分かるように,相互にもたれあう関係であった。親会社は戦略的意思決定権限を子会社に委譲して放任するが,資本と幹部の人事権を押さえているので求心力を保つ。逆に子会社は資金や人材を親会社に依存していた。ところがグループ経営では,持ち株会社と事業会社の関係に変化する。



グループ経営機構改革とグループ本社(GH)

たとえば,ソニーは事業持ち株会社であり,NTTはR&D部門を本社に置く純粋持ち株会社である。持ち株会社化とはグループ経営機構改革を意味し,具体的には以下の3つのことを行う。
.バナンスとマネジメントの分離
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事業部別マネジメント体制の構築

ガバナンスを担う取締役会にはCEOのような内部者のみならず社外取締役が入る。執行を担うCEOは社外取締役を主体とする指名委員会で決定される。グループ本社のトップはCEOであり,その配下に財務や情報,戦略など機能別にオフィサーが配置される。ドメインに応じた事業担当オフィサーのもとに事業会社を配置する。典型的なグループ経営機構を図解すれば次のようなスライドとなる。



ソニーのグループ経営改革

グループ経営の目的は,分化と統合という二律背反するものをグループ経営の高度化によって達成していくことにある。たとえばソニーのグループ経営の方針は「分極と統合の経営」であり,事業会社が自律的に分極していくが戦略的意思決定権は持ち株会社(グループ本社)が押さえている。

ソニーには事業ドメインが5つあるが,ドメインを統合する機能として,「グローバル・ハブ」というグループ本社が置かれている。この5つのドメイン間のシナジーを創出するためにプラットフォームが置かれている。プラットフォームは2つある。ひとつが戦略プラットフォームであり,グループ全体の価値創造のためにさまざまな戦略立案やシンクタンク機能を持ち,5つの基幹事業相互の連携を促進する。この中心メンバーは,CEOとCOO及びCFOの3名である。彼らがトップマネジメントチームになって,その配下に非常に高度な戦略担当スタッフとシンクタンク機能を配して,グループ全体の戦略を創出していく。
もうひとつが経営のプラットフォームであり,事業会社のスタッフ部門(経営,財務,法務,知財,人事,総務,情報システム,広報,渉外,環境,デザインなど)をグループ本社に集約し,より専門化する。

グループ本社のプラットフォーム

ソニーやNTTの事例を参考にすれば,グループ本社には次のスライドのような4つのプラットフォームが考えられるのではないかと思う。



グループ本社の人材経営の役割

ミシガン大学ビジネススクールのディビッド・ウルリッチの人材経営の4つの役割の考え方は,このグループ本社のプラットフォームの考え方と非常にフィットする 。一般には,採用,報酬管理,就業条件管理,退職,労使調整という機能によって,人事部の役割を定義する。これは人事部本位のdoableである。しかしウルリッチは,人事部の役割を,人材を生かすというパラダイムで定義づけ,人事部が経営及び社内の人々に対して何をもたらすことができるのかという考え方,すなわちdeliverableを提唱している。

この定義をグループ本社人事部の設計に照らし合わせて考えてみると,中心には価値のプラットフォームがあり,3角形の点に戦略パートナー,チェンジエージェント,管理のエキスパートという役割が配される。



人事業務の分担の変化

人事部の業務には次の3つがある。企画業務,管理業務,及びサービス業務である。これらを,本社人事部,事業部人事部,ラインマネジャーの3つの主体が分担している。グループ経営の高度化によって分社やグループ本社が新設されれば,企画業務は本社人事部に集約されてくる。一方で,管理業務は本社から事業部やマネジャーに移行していく。サービス業務は,いったん本社に集約した後に,外に出して共有化する。

たとえば三菱商事では,サービス業務を全てスピンアウトし,企画業務を本社に集約化した。人事部は経営企画部門の中にある。管理業務はどんどん現場に移行している。(平野光俊)
posted by: NOMA第3期人材マネジメント研究会 第5回定例会報告 | 2008.01.09 Wednesday | 22:34 |
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posted by: - | 2009.08.06 Thursday | 22:34 |