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posted by: - | 2009.08.06 Thursday | |
イギリス・レポート(その5)
JLR
 最後に訪れたのが、ジャガー・ランドローバーの工場でした。クランフィールドから4時間以上をかけて、リバプールまでバスで移動しての工場見学です。ジャガーとローバーのラインが共同で設置されている工場であり、2ブランド・2車種について、世界各国から受注した製品を製造していました。わが国の自動車会社と比べれば、単一機能のロボットの数が多く、ロボットだらけの印象があります。また、広い敷地のためか、JITを用いているとはいえ、多くの部品を積み上げている印象でした。生産のスピードは遅く、われわれが訪れた際には昼休みと重なったのか、人がいても熱心に働く姿はありませんでした。また、チームワークと呼べるような共同作業は見えず、自分の担当の組み立てを、ときたま仲間とおしゃべりをしながら、単独で行っているような印象でした。トヨタの工場では、製造に取り掛かってから完成まで1日でこなすのに対し、ここでは、完成まで4日間が必要だということ。ジャガーやランドローバーの価格が高い理由の一端が見えたような気がしました。時間と人力をかけることによって、品質を維持していることがわかります。ただし、この工場の組み立てラインでは、作業員に長期の訓練も必要ではないようなので、工場の移転は容易に行えるだろうし、広い土地が確保できる中国には、この工場の仕組みをそっくりそのまま移行できると感じました。
 興味深かったのは、工場の従業員が乗っている乗用車に、ジャガーとランドローバーを見かけることがほとんどなく、また、親会社のフォード車も少ないことでした。ジャガーとランドローバーが高級車のため、従業員には手が出ないのではないかという話でしたが、自社ブランドの車に乗れないのでは、愛社精神などは生まれようもないでしょう。企業価値の浸透のあり方にも、わが国の自動車産業とは大きな違いがあるようです。リバプールからロンドンへの帰りのバス移動は、途中でバスの故障交換もあり、8時間以上というたいへん時間がかかるものでした。クランフィールド→リバプール→ロンドンを1日で移動する強行軍で、合計12時間以上のバス移動を耐えて工場見学をしていながら、英国の工場には驚くような技術やノウハウはなく、学ぶべきことはあまりないという感想をもちました。
 この企業視察の結論として、ARMのような優良企業がある一方で、国際競争力の乏しい企業が多く見られました。日本企業の競争優位をあらためて認識し直すイギリスでの視察でした。
posted by: 高橋潔 | 2007.10.02 Tuesday | 22:04 |
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posted by: - | 2009.08.06 Thursday | 22:04 |